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東京大学公開講座「水」
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■ 時間・場所
第1日 2009.10.10 13:30-13:45
第1日 2009.10.10 13:45-14:35
第1日 2009.10.10 14:55-15:45
第1日 2009.10.10 16:05-16:55
第2日 2009.10.17 13:30-14:20
第2日 2009.10.17 14:40-15:30
第2日 2009.10.17 15:50-16:40
第3日 2009.10.24 13:30-14:20
第3日 2009.10.24 14:40-15:30
第3日 2009.10.24 15:50-16:40
第4日 2009.10.31 13:30-14:20
第4日 2009.10.31 14:40-15:30
第4日 2009.10.31 15:50-16:40
第5日 2009.11.07 13:30-14:15
第5日 2009.11.07 14:25-15:10
第5日 2009.11.07 15:30-16:15
第5日 2009.11.07 16:25-17:10
第5日 2009.11.07 17:10-17:20
東京大学大講堂(本郷キャンパス)[安田講堂]
■ ホームページ
http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/d04_01_j.html
■ 講師
第1日 濱口 宏夫 教授
  村田 茂穂 教授
  吉田 亮 准教授
第2日 新田 一郎 教授
  マトゥシュ・ペトゥル 特任助教
  神馬 征峰 教授
第3日 戸倉 秀美 教授
  松浦 寿輝 教授
  山本 史郎 教授
第4日 永田 淳嗣 准教授
  山岡 和純 特任教授
  小池 俊雄 教授
第5日 松本 芳嗣 教授
  武藤 芳照 教授
  蔵治 光一郎 教授
  沖 大幹 教授
■ 対象者
成人一般・大学生・高校生
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■ 講義の概要と予定
  • 水と水分子HO 濱口 宏夫
     コップ一杯の水中には、約3000000000000000000000000個の水分子H2Oが含まれています。H2Oは二等辺三角形で、O-Hの長さは0.0000000001メートル、H-O-Hの頂角は104.5°です。私たちが普段慣れ親しんでる水の性質は、すべてこの小さな水分子たちが、気が遠くなるような数集まって集団として行動する結果生じるのです。この講義では、H2Oが何故二等辺三角形の構造をとるのかという基礎的な問題から、ミネラルウォーターやワインの味まで、水と水分子が織り成す様々な現象を科学の眼で観察し、自然界の不思議を垣間見たいと思います。
  • タンパク質を加水分解する巨大酵素の科学 村田 茂穂
     水は無色透明、無味無臭であり、一見何の変哲もない物質のようでありながら、私たちのからだの一つ一つの細胞の中で起こっている生命活動を分子レベルで助けるための重要な性質を持つ機能性分子でもあります。本講義では細胞内の主要プレーヤーであるタンパク質の生(合成)と死(分解)が、水を好む性質(親水)と嫌う性質(疎水)とを巧みに使い分ける
  • インテリジェントなソフトマテリアル:高分子ハイドロゲル 吉田 亮
     多量の水分を保持する高分子ゲルは、古くから食品や医療など種々の分野で応用されてきた材料である。しかしゲルが外部環境変化(溶媒組成や温度変化など)に対して可逆的にその体積を変化させる現象(体積相転移現象)が発見されたことを契機として、80年代後半以降は「インテリジェント(あるいはスマート)ゲル」と呼ばれる、より高度な機能性材料へ応用する研究が活発にすすめられている。本講義ではこれら次世代マテリアルとしてのゲルについて、我々の最新の研究とともに紹介したい。
  • 悪水をめぐる紛争―日本史にみる水の捨て方― 新田 一郎
      水をめぐる紛争というと用水相論が思い浮かびがちだが、日本では近世以来、不用の水をいかに捨てるかもまた大きな問題であり、しばしば紛争へと展開した。水は生活を営むう上で不可欠だが、不用の水はしばしば災害を招く。水を、得るだけでなく適切に捨てるためのコストが、どのように負担されるべきか、その調整のためにどのような仕組みが作動していたのか。都市生活排水ではなく、農村の「悪水」に焦点を据え、水を捨てるためのコストをめぐる人々の考え方の一端に、触れてみたい。
  • 持つべきものは友―水へのアクセスと人間関係― マトゥシュ・ペトゥル
     途上国のスラム住民の多くは公共水道サービスにアクセスすることができないため、インフォーマルで個人的な人間関係に頼って日々の生活に必要な水を得ています。本講義では、スラム住民の中でも社会ネットワークの中でより有利なポジションにいる人達、即ちより多くのソーシャルキャピタルを所有している人達が、より安価で安全な水にアクセスしやすい構造を明らかにし、より公正で多くの人のニーズを満たすための方策を提示します。
  • 安全な水:国際保健の現場における知識と知恵の活用 神馬 征峰
     途上国に住む約11億人の人々が、いまだに「安全な水」を利用できずにいる。では安全な水とは何かというと、その定義は意外と難しい。かつては下痢等の感染症に罹らなければ安全な水と理解されてきた。しかし、バングラディシュなどでは、「下痢にならないから」安全と思われていた水がヒ素に汚染され、多大な健康被害がもたらされてしまった。安全な水の確保のために、国際保健の現場で培われてきた知識と知恵の一端を紹介したい。
  • 中国文学に見る水の諸相―海、山水、水の夢― 戸倉 秀美
     古来様々な支援の景観を詠ってきた中国の詩歌。しかしその中に海を詠んだものはごくわずかしかりません。内陸国にに生きる人々はほとんど海を見たことがなく、海は恐ろしい生き物が住む、暗く底知れない場所として描かれました。時折本物の海を見る詩人がいても、「割れて避けて砕け散る波も」、「ひねもすのたりのたり」の海も、詩歌の伝統にないものをその目で見ることは困難でした。中国の人々が捉えた水の姿のいくつかを、日本との比較を交えながらお話したいと思います。
  • 文学と水の形象 松浦 寿輝
     古来、多くの作家や詩人が「水」のイメージに魅力を感じ、それを中核とし主題として、優れた文学作品を創造してきた。海、川、湖、泉など自然の中の水系から始まって、流れる水、噴出する水、淀む水、蒸発する水などが文学的想像力の貴重な源泉となり、そこに、「愛」、「青春」、「生命」などの諸テーマが結びついてきた。本講義では文学と「水」とが取り組んできた関係の諸相を紹介し、小説や詩の中で「水」がどのように表象されてきたかを考えてみたい。
  • イギリス文学と水・川・海 山本 史郎
     海洋国イギリスは、昔から水と深い関わりをもちながら発展してきました。とくに、18,19世紀には産業革命の進行とともに河川や海上の交易が拡大し、海外への進出も盛んに行われましたが、イギリスで近代的な詳説の形式が整い、成長してきたのは、まさにこの時期と重なります。イギリスの小説に、川や海、あるいは水そのものとの関わりや関心がどのように表れているか、何人かの有名な作家の作品から探ってみたいと思います。
  • 沖縄農業と水へのまなざし 永田 淳嗣
     サンゴ礁からなる沖縄の島々は、たいした川もなく地表水の確保が難しい。とりわけ夏季の感想に対処するための畑作灌漑の整備は、日本復帰後の沖縄農業政策の柱の1つとされてきた。農業に水が必要なことは間違いない。しかし、灌漑によりもたらされた水に対する農家の受け止め方は、必ずしも政策が想定した通りではなかった。沖縄農業と水との一筋縄ではいかない関係を、農家の水へのまなざしのしんかという視点から読み解いてみたい。
  • 農業水利におけるガバナンスの発展とソーシャルキャピタルの蓄積 山岡 和純
     水社会―それは、水を媒介として人々が繋がり、協働協治(ガバナンス)の精神で利害対立を克服し、人々の間に信頼や規範などの新たな価値(ソーシャルキャピタル)を生み出す、古くて新しい社会の概念です。渇水・旱魃-それは、一見ただの自然災害に見えますが、人々が経験から学び、水社会を築き上げていく貴重な鍛錬の場とも言えます。日本を含むモンスーンアジアの国々に共通した、水社会の成立過程を辿り、私たちの未来社会のあるべき姿を考えます。
  • 気候と水循環の変動への適応を支える科学技術 小池 俊雄
     温室効果ガスの濃度の上昇とともに、「ほとんどの地域で大雨の頻度が増す可能性がかなり高い」、「干ばつの影響を受ける地域の拡大と、強い熱帯低気圧の発生頻度の増加の可能性が高い」と気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は報告し、それを裏付けるかのように、ゲリラ豪雨、大渇水、巨大ハリケーンなど、極端な水循環現象が世界各地で発生している。これらの変化を予測し、それに伴うリスクを評価し、有効な適応策を策定して、それを実施できるのか、これらを支える科学技術を紹介する。
  • 寄生虫が教えること:水のもたらす恵みと患い 松本 芳嗣
     ヒトは最も適応力に優れ、昆虫は最も繁栄した動物といわれる。ところが、ヒトや昆虫の体内にも多様な寄生動物が生きており、宿主であるヒトや昆虫と共に進化し、棲息域を広げている。カラアザールという原虫病をご存じだろうか。単細胞の原生生物が吸血性の昆虫に媒介され、この感染症はおこる。本講義では水の利用による環境の変化とそれに伴う感染症の流行について考えてみたい。生態系の豊かな土地は寄生原虫にとってもの豊かな土地であることを忘れてはならない。
  • 水と健康 武藤 芳照
     水は人間の生命の源であり、健康と深くかかわっている。水を体の中に入れる(水を飲む)という側面と体を水の中に入れる(水中運動・水泳)という側面とがあり、いずれの場合にも、健康増進の効果と健康障害のリスクがある。「運動中に水を飲むな」の誤り、正しい水中歩行の仕方、年寄り「に」冷水の大切さなど、水と健康に関わる養生訓について具体的に解説する。
  • 水と森と人 蔵治光一郎
     人は森を「緑のダム」と呼ぶ。川の流れを人の都合に合わせて調節してくれるダムと同じような機能を、森も持っているに違いないと多くの人が期待している。だが水ともりは地球上に人類が出現するよりも前から相互に「作用」していた。森の水に対する「作用」は本当に人間にとって都合がよい「機能」なのか、東京大学愛知演習林における80年間に及ぶ長期研究をもとに、歴史的、科学的、社会経済的な観点から総合的に検証し、将来を展望する。
  • 地球をめぐる水と水をめぐる人々 沖 大幹
     地球は水の惑星と呼ばれるほどなのに、なぜ1日わずか数リットルの安全な飲み水すら確保できない人が世界には9億人近くいるのでしょうか。乾燥地水が希少資源であるはずの中東で、なぜ水をめぐる争いが激化しないのでしょうか。食料や石油の値段は上がっているのに、それらと深く関係している水の値段は上がらないのでしょうか。電気もガスも交通も電話も塩もタバコも民間企業が提供しているのに、どうして水だけは民営化に対して多くの人が慎重になるのでしょうか。地球をめぐる水と水をめぐる人々の不思議について一緒に考えましょう。